カーサ・ストーリー

孫の面倒なんかみないと言っていた母が一緒になって子育てしてくれる。
そんな二世帯住宅ができた悦び。

岡山市 Y邸 Casa 022

「Yさんの、以前の家を初めて拝見した 時、これは亡くなられたお父さまが相当こだわって作られた家だなとひと目見て感じました。木造和風の二階建て、 正直、壊すのがもったいないくらいの素晴らしい家でした。その家を取り壊して新しい家を建てることが決まった時、 私が真っ先にしたのは、お父さまのご仏前で、この家に負けない家を作らせていただきます、どうか守ってください、と手を合わせたことです」と語る木口氏。
新しく誕生したY邸には、Yさんと 奥様、昨年十二月に誕生したご長男にYさんのお母さまの四人が暮らす。家を建てる際のお母さまからの要望は「すべて生活を別にしてほしい」というものだった。「趣味、旅行、私には私の人生がある。自分を愉しみたい」というのがお母様の本音だったという。

「Y邸は、いわゆる二世帯住宅です。家は、三つの長方形のボックスを重ね合わせた形状で入口は二カ所、白・黒・グレーの三種類のタイルで外観に表情をつけ ました。クルマ好きのご主人のために、インナーガレージは外からも愛車が見えるようパイプシャッターを採用しました」。奥さま曰く「主人は当初、二世帯 住宅だからガレージなんか無理だろうと諦めていたんですよ。おまけにリビング横のロフトには、好きなミニカーのコレクションが置けるスペースまで作れて…。 そのなかには木口さんにいただいたポルシェもあります。主人のお気に入りの隠れ家です」。

最後に奥さまからうれしいひと言。 「当初、一階の予備室は、母と私たちの間のクッション的な部屋として作ったんですが、今ではここで子育てをすることが多くて…。孫の面倒なんかみないといっていた母が一緒になって子守りをしてくれるんです」。プライバシーを尊重するため、この部屋には鍵を付けたが、結局締めることはないという。この話だけでこの家の出来映えが分かった気がした。そう、これ以上に幸福な二世帯住宅ってあるのだろうか。

このインタビューは『オセラ No.35 爽秋号』に掲載されたものです。

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